学習支援と表現活動 - 通信制サポート・テーマ学習・撮影班
通信制高校のレポートサポート、テーマ学習・個別学習、撮影班の立ち上げなど、4月に取り組んでいる学習支援と表現活動についてご紹介します。
カチャ、と三脚を立てる音。
4月20日、教室の隅で「撮影班、始動です」という小さな宣言とともに、一台のカメラが床に据えられました。それ以来、narZE のいろいろな活動を、メンバーが交代でカメラに収めています。
この春の中高生プログラムは、学習支援 と 表現活動 という、性質の異なる二つの軸が同時に走っている時期です。今日はその両方を、混ぜないように、でも繋げながらご紹介します。
通信制高校のレポート ─ 「期限から逆算する」を体に入れる
4月からこれまで、週5日体制で、通信制高校に通うメンバーのレポート学習を、個別にサポートし続けています。
通信制のレポートは、独学で進めるのが原則です。でも、独学だからこそ、「いつまでに何を終わらせるか」の管理が一人では難しい。気がついたら締切前日、というのを何度か繰り返すと、自信を失ってしまいます。
私たちの役割は、教えることよりも 計画を一緒に組むこと の方が大きいです。「この科目、3週後の締切まで何ページある?」「1日にどれくらい進めると間に合う?」と問いを置いて、本人の手で計算してもらう。
何ヶ月かこれを続けると、自分でカレンダーを開いて「逆算」できるようになります。社会に出てからも、必ず役に立つ力です。
テーマ学習・個別学習 ─ 一律ではない学び方
レポート学習と並行して、午後の時間帯には テーマ学習・個別学習 の時間も設けています。
ニュース記事をみんなで読みながら対話したり、本人が興味を持ったテーマに沿って調べたり、ちょっとした研究開発に手を出してみたり。SST の一部もこの時間に組み込むことがあります。
「学習」と一言で言っても、その入り口はいろいろ。本人に合う学び方を一緒に探す ことを、何より大事にしています。
撮影班 ─ 「自分の好きなアングルで撮る」が主体性に
そして、もう一つの新しい動き ─ 撮影班の立ち上げ。
きっかけは、ある中高生が「活動の様子、記録として残しておきたい」と言い出したことでした。「面白そう、やろう」とすぐに動き、4月20日に正式に始動。
学んでいることは、技術的なことだけではありません。
- カメラ操作の基本
- 構図の基本(三分割法、視線の流れ)
- 撮影マナー(人にカメラを向ける前に、ひと声かける)
- 簡単な動画編集
「撮影マナー」が、技術より大事なテーマだと感じています。スマホ世代の中高生にとって、人にカメラを向けることはとても気軽な行為ですが、「相手がそれをどう感じるか」を立ち止まって考える時間は、社会性の練習でもあります。
完成した動画は「上映会」へ
撮影班が編集した動画は、アグロラ祭やイベントで上映しました。
照明を落とした暗い教室に、自分が撮った映像が大きく映る。観客の中には、撮影された側の子どもたちもいて、「あ、俺だ」「ここ、こんな顔してた」とくすくす笑う。
撮る側の主体性と、撮られる側の許諾。両方が同じ場にいて、笑顔で映像を見られる ─ それが、コンテンツ制作の倫理を本人たちに教える、何よりの教科書になっています。
「人に届ける」ことが、学習と表現をつなぐ
このブログで紹介した二つの軸 ─ 学習支援と撮影班 ─ は、一見、関係なさそうに見えます。
でも、共通点があります。どちらも「自分のためだけにやらない」という姿勢です。レポートは進学・卒業のために、撮影は仲間と保護者の方に届けるために。
「誰かに届ける」が入ると、勉強もものづくりも、急に意味が変わります。中高生プログラムが大切にしている、社会へのつなぎ目の感覚は、こんな小さな日常の中に、確かに育っています。